とあるクリーニング店でそんなポスターを貼っていた。いやいやいや、ちょっと待って欲しい。それは限りなく「騙し」ではないか!
嘘ではないことを書いて、さもメリットがあるかのようにアピールすることが「騙し」行為と言わんで何という。いくら売上減だからといって、人の無知につけこみ、こんなインチキポスターでアピールしようというのは大間違いだ。
お客様サイドには全く無関係
まず「温水洗い」も「軟水洗い」も利用するお客様にとっては何のメリットがない。というのも、温度を上げるのは洗浄力を上げるため、軟水で洗うのは洗剤の使用量を減らすためであって、お客様サイドに立ってのものではないことは自明である。
というのも利用されるお客様からすれば、汚れが落ちていれば良い話であって、「温水洗い」してほしいとか、「軟水洗い」にしてほしいとか言った覚えもないはずだ。そもそも「温水洗い」や「軟水洗い」の意味自体が分かっていない人に、さもメリットがあるかのように謳うのがいけない。
つまりやってることは、自分たちにメリットのあることをさも相手側の為にやったことだと、その本人に言い放っているのと同じであり、やり方として最悪だろう。
ソフトでないものをソフトと訴える
まず、どこの何が「ソフト洗浄」なのかを説明すべきだろう。大体「温水洗い」自体が家庭洗濯より「ハードな洗い」に属するのに、温水洗い自体を「ソフト洗浄」だと訴えている時点で、一発アウトであり言い訳できない。
次に「軟水洗い」だが、軟水だろうと硬水だろうと水は水。ソフトである根拠そのものがない。「軟水」「硬水」の定義は硬度成分(カルシウム、マグネシウムといった金属成分)の有無でしかなく、それをソフトだのハードだのと言って誰が得をするというのだろうか。
感覚やらあやふやなイメージだけで「ソフト洗浄」などという言葉を持ってくるというのは、何かを隠したいからかと勘ぐられても仕方がないだろう。もし、業務用水洗機の「ソフト」プログラムのことを指すのであれば「ソフト回転」とハッキリ書くべきだ。
絶対に選んではいけない店
ここまで書いているのを読んでいただけばわかるように、これは何の効果もない(お客様的に)ものを、効果があると主張する「騙し」である。
他の業者も全て「温水洗い」を行い、一部業者に至っては「軟水洗い」も行っているのにも関わらず、自店がそれを用いて謎の「ソフト洗浄」を行っていると錯覚させようという魂胆が間違っている。
基本こういうことは言いたくないが、効果がないものを効果があると言い張っている時点で、内容以前に「絶対に利用してはいけない」お店である。