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衣服の品質表示ラベルがデタラメな「わけ」

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 昔からそうなのだが、服の洗濯表示ラベルの指示ほどいい加減なものはない。指示通り洗ったら取れない。間違った表示であっても、違った洗いをすれば責任を持たない製造元は多い。

 最近、国際標準に合わせるとかで品質表示は一新されたが、それでもいい加減さがまかり通る「洗濯表示ラベル」。その理由はなにかについて、二つの服を例に取り、検証していく。

ハナっからマトモに書く気がないラベル

 指定外繊維であるテンセル100%のブラウスなのだが、洗濯表示はなんと「ドライ✕」の水洗指定。ところがかつてテンセルは「水洗できるセルロース系繊維」を売りにした生地だったのだが、トラブルが頻発したらしく、現在国内では「ドライ○」「水洗✕」表示となっている。

水洗○、ドライ✕となっている

  しかしこの有名ブランドはどういう風の吹き回しで、このような指定を行ったのだろうか。洗濯表示は無視してドライクリーニングで処理を行なった。

洗う前のテンセルブラウス

ドライ洗浄後。非常にキレイに洗えている

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どうして「ドライ✕」なのか

 理由は非常に簡単で、日本の洗濯事情が無視されているだけの話なのである。実はこのブランドの本拠地がある国の事情が最優先されているのだ。

 その国アメリカでは、ドライクリーニング処理の殆どが有機溶剤によって占められるため、有機溶剤系では色が抜けやすく(抜けにくい資材や設備を持っていない)、ドライ✕表示を出して、次善策として水洗○としたのである。

 本当の話、世界で最も進んだクリーニング技術を持っている国は日本なんですよ。冗談抜きに。テンセルも有機溶剤を極めれば余裕で洗える技術がある。というか、そのほうが石油系よりキレイに、光沢感が出る洗いができる。但し液温10℃で、それ用の資材を入れなければいけないが。

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洗えるのに洗えない理由

 次の衣料は綿・ポリエステル混紡のブラウス。襟のアクセントはポリエステルである。

 ご覧のように服が黄ばんでいる。水洗処理しないとこれは取れない。しかし・・・・・

 洗濯表示は✕。素材的には洗っても全く問題ないのだが・・・ 思案の末、この表示を無視して、ネットに入れて Yシャツ洗い を行うことにした。

Yシャツ洗浄後、キレイに取れている

 結果、黄ばみは全て飛び、キレイになったので立体成型仕上機で濡れがけ乾燥を行なった。

成形仕上機で乾かせばキレイに仕上がる

 ある程度乾いたら、ハンガーアップしてボックスで乾かし、仕上げて出荷する。何の問題もなかった。しかし水洗✕なのはどうしてなのか。

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家で洗ってほしくないから

 ズバリそういうことなのである。このブラウスはニット地であり、家で洗って仕上げれば一部が伸びたり、型崩れが起こったりし易くなる可能性が高い。

 それを水洗可などにすれば、クレームになること必定なために、分かっていても水洗✕なのである。作る業者が悪いのか、買うユーザーが悪いのかはなんとも言えない話である。

おわりに

 かくかくしかじかで、様々な事情から実態にそぐわない洗濯表示が付けられているのである。我々クリーニング屋はそれを乗り越えて仕事をしなくてはならない。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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