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脱臭の技術~消臭の分野の広さを知るために

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 「消臭」というのはホームクリーニング業界(一般的なクリーニング分野)で言えば一分野の1ジャンルにしか過ぎないもので、多くの業者にとっては「それは洗えばだいたい解決する」問題、「そもそも洗わないのが」問題と捉えているのではないかと思う。

 実際その通りだと思うが、世の中の流れというものは業界感覚とは大きく異なり、P&Gの「ファブリーズ」が「クリーニング級消臭」などと謳って宣伝していることもあって、少なからぬ人が「消臭剤」は「クリーニングの代用品」と認識されているのが現状だ。

 また「難洗衣料」の流通によって少なからぬ衣料が従来型の「クリーニング」が不能となってきている事情もあり、私はむしろクリーニング技術の一つとしての「消臭剤」という考えをもった方が、現状に即した対応ができるのではないかと思う。

世の中に広く普及する消臭剤

 今回はクリーニング業を例にとって、消臭の裾野の広さを伝えられればと思う。

クリーニングにおける脱臭分野

 現在、クリーニングにおける大まかな脱臭分野は3つある。

  1. ドライクリーニング溶剤の脱臭
  2. 水洗工程における脱臭
  3. 仕上げ工程における脱臭

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ドライクリーニング溶剤の脱臭 

 濾過技術として「活性炭」を用いた濾過や酸化アルミニウムに脂肪酸を吸着させるといった「脱臭方法」と、溶剤内部に「抗菌剤」を投入させる「脱臭方法」という、2つの方法で対処している。

 稀に「遠赤外線」云々とか、「なんちゃら菌」云々とか、「なんちゃら石」云々とか、「~イオン」云々とかで、対応という話があるが、これは全く無視すべき話である。

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水洗工程における脱臭 

 洗浄に加えてすすぎ工程で「抗菌剤」を投入する方法で対処が行われている。が、実際には「抗菌剤配合」柔軟剤を投入したりするケースが殆どで、単体の抗菌剤を持っている業者自体が稀ではないかと思う。

 これは「洗い」で十分という概念と材料自体が「高い」ことに起因する。一方材料を売る側にとって「抗菌剤配合」はウリ文句となるので、柔軟剤などに抗菌剤を少量入れて「配合品」として売る。18L内に1cc入れても「配合」には変わりがないのだから。

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仕上げ工程における脱臭

 通常、この工程で脱臭といえば「蒸気」を使う程度のものだったのだが、最近は様々な局面で「消臭剤」が顔を出すようになった。

 最近特に多くなってきたのは、通常洗浄では除去しきれない「ニオイ」で、何がどうなっているのかは不明だが、得も言われぬ「ニオイ」を発生させている服が出てくるケースがある。そういう際には水溶性の「消臭剤」の出番で、これで大体は除去できる。

 また前にも触れたように、洗えない衣料に対する対処においても「消臭剤」は不可欠のものとなっており、今後はその活動の場は更に増えるのではないかと思う。

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衣料用途「だけ」でこの広さ

 このようにクリーニングにおける脱臭分野というのは、実は大きなウェイトを示している。このことからも分かるように様々な場面で「脱臭技術」が使われているのである。正直、これだけで本が書けるのではないかと思う。

 衣料・クリーニング分野でこれなのに、家であるとか、街であるとか、工業用途、農業用途ともなれば、「脱臭」の範囲があまりにも膨大過ぎて、とてもではないが誰も把握などできないだろう。

 数限りなくあるニーズとそれに応じた適正な技術による対処ともなれば、正直言って「キリがない」ほど多くの分岐が存在する。またその業界には業界の事情も存在するだろうから、数え切れないほどの方法があると思われる。それが「脱臭」というものの範囲の広さである。

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消臭剤の是非

 そうした視点で見たとき家庭用途として使われる「消臭剤」の位置づけは、あくまで一ジャンルである。だがそうしたものが普及する一方で、「使ってはいけない」教のような人々も存在する。

 私はそうした考えを否定する気はない。むしろ一理あるとさえ思う。基本やはり洗うのが一番だ。しかし、そうした人々の多くが「重曹」で十分とかのたまうので、さすがに「それじゃ対処できないよね」と結論づけるしかない。重曹で対処できているならば「消臭剤」など普及すらしないだろう。

 基本的に「脱臭」に対する発想とそれに対する人間の希求心に鈍感すぎる。必要性があるから普及しているのであって、メーカーが売りつけている「だけ」で普及しているという考えや発想自体が間違っているのだ。そういう人たちが真に責めるべきは「使う人」「求める人」なのである。

 例え広告が誇大であろうとも、メーカー側はニーズがあるから作っているし、売っているのだ。これを忘れてはいけない。その上で洗えないものが氾濫しているのが悪いのか、消臭剤を多用するライフスタイルが問題なのかを含めて考えていく必要性があるだろう。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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