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水洗で取れない汚れをドライクリーニングで取る

投稿日:2017-05-31 更新日:

 家の洗濯でなかなか取れない汚れの中に「油汚れ」がある。特に黒い服についた油は取れにくい。これは黒い服の特性に原因がある。

 黒い綿の服を洗うのには基本、中性洗剤を用いる。これはアルカリによる脱色を防ぐためだ。それでなくても濃色の服は紫外線などによって脱色しがちとなっており、そうした服を長く持たせるためには出来る限り脱色要因を避けなければならない。

 そうした服はクリーニングでも同じように扱う。基本的に中性洗剤で温度をかけず洗う。だが、その洗いは脱色を回避させる反面、汚れ落とし、特に油汚れの汚れを落としにくくしてしまう。

 油汚れを落とすため油を溶かす「リモネン系洗剤」も入れているが、きつい油汚れは対処できできず、下の写真のように斑点のようになって残る。

水洗したTシャツ。油汚れが浮き出ている。

 これは鉱油の汚れ。作業所で着られているものなのだが、こうした機械油に関して言えば常温水洗では強力なリモネン洗剤も全く歯が立たない。家の洗いでは全く対処できない汚れである。

 だが、クリーニング業者は違う。油汚れの落としに強いドライクリーニングがあるからだ。「油を落とす」には「油で落とす」のが一番。と、いうことでドライクリーニングで対処する。

 ところが・・・ 品質表示を見るとこんな表示が。右から二番目の表示、これは「ドライクリーニング不可」表示である。だがその理由は・・・  

「特に意味はない」 

 信じられないかもしれないが、洗濯表示の多くは「適当につけられている」のである。何故かといえば、服を売る側はクリーニングの知識やノウハウがあるわけではないからである。では何故表示をつけているかといえば、単なる「アリバイ工作」で、それ以外の洗いをすれば責任を持たないことを示すためだけのものなのである。

 とういうわけで、表示は全く無視してドライクリーニングで洗う。

ドライ後のTシャツ。油汚れは全部取れている。

 ピンぼけしているが、油汚れは全て取れている。このTシャツをお出しになられているお客様は家では取れないこの汚れを取ってほしくて、高くないTシャツを当方にお出しになられているのである。

 一部で取れない云々と批評されているドライクリーニングであるが、きちんと特性を理解していればそういう論評は全く的外れであることが分かる。

 素材や服の形状を考慮しつつ、汚れの中身を理解して、水洗ドライの特性を活かした洗いをするのが重要であって、これは取れる、これは取れぬと決めつけるのは重要ではない。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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