家庭用洗濯機

東芝新型洗濯機「ウルトラファインバブル洗浄」とは何か

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 東芝ライフスタイルが新技術「ウルトラファインバブル」発生装置を組み込み洗浄力を向上させた新型縦型洗濯機「ZABOON(ザブーン)」を近日投入する。「ウルトラファインバブル」とは、ナノレベルの極小の「泡」で、この「泡」の力を使って洗浄力を強めようというものだ。

新型縦型洗濯機 AW‐10SV6

 今回、「泡」と「洗濯」を軸として、この「ウルトラファインバブル」洗浄と新型「ZABOON(ザブーン)」を分析してみたい。

暮らしに生きる「泡」

 泡と洗濯。実は非常に馴染み深いもので、洗剤を入れて洗濯機を回すと泡立つが、まさにその関係なのである。この泡立つ事を「活性化する」という。泡が立てば活性剤(界面活性剤)が反応している様が可視化される訳で、それを見て「これだけ泡立っているのだから汚れが取れるだろう」と見通すのである。

 また活性化している際に出る泡は小さければ小さいほどよく、キメが細ければ細かいほど良いとされる。泡が小さければ小さいほど界面活性剤の表面積が稼げるとして、洗剤の良し悪しを見る基準の一つとなっている。

 これは洗濯はいうに及ばず、例えば洗顔でも泡のキメが細ければ細かいほど良く、ヘタらないものが良いとされており、泡とは様々な「洗い」にとって重要な要素である。

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第三次洗濯バブル時代

 実はクリーニング業界では、この洗剤に限らず「泡」との付き合いは長い。例えば有機溶剤が含まれる排水処理には処理水の中で発泡させる「曝気」が用いられていた。

 古くは浸け込み洗浄でポンプを駆動させ、水槽にシャワー状に水をふりかける洗浄装置と槽内にエアーを送り込んで泡を発生させ(いわゆるブクブク)、空気を入れて活性化させることで汚れを落とそうというものだった。

 また後の時代には、水洗機などでは気泡装置を組み込んで、ドラムで回せないデリケート衣料を洗うなど、時代が変われど浸透している技術である。また家庭用洗濯機でもシャープが気泡発生装置付きの洗濯機を販売していた。

 少し話はそれるが「オゾン発生装置」を用いた洗浄法も広義の上では「泡」の技術で、水やドライ溶剤にオゾン発生装置から出る気体を注入して、オゾンの力で洗浄力を上げようというものだ。ただ効く量を入れると「繊維の色が飛ぶ」ため、オゾンをうたっていても本当に効く量までは入れられないのが残念ながら現実である。であるから、問題ない量を入れて専ら宣伝として使われている。

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そしてウルトラファインバブル

 しかし今回の「ウルトラファインバブル」は少し趣が違う。ナノレベルという見えない泡を使っての洗浄法であり、これまでのような「空気を入れて活性化」や「泡の振動や弾ける力」で洗うものとは違ったものである。

 この「ファインバブル」は産業界で以前から話題となっている技術で、その一端はNHKでも放送されている。その内容は養殖産業では養殖魚の生育が大幅に短縮し、ファインバブルを溶かした水で魚を洗うと持ちが良くなるとのものだった。

 もちろんクリーニング業界で話題にならない訳がなく、一部でそうした技術を導入した業者もいると聞くが、実際の広がりが少ないところを見ると、まだ何らかの技術的課題が残っているのかもしれない。

 あと一点指摘しておくと、ファインバブルと今回東芝ライフスタイルが発表したウルトラファインバブルは「泡」の大きさが違う。ファインバブル(マイクロバブルともいう)よりウルトラファインバブルの方が一段低く、従来白濁しているように見えたバブル水が透明になるレベルである。

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ウルトラファインバブルの洗浄理論

 こうした「泡」技術を引っさげて、東芝ライフスタイルは「ウルトラファインバブル」発生装置を搭載した洗濯機を発売した。東芝ライフスタイルの技術陣が考えた洗浄シナリオはこうだ。

 泡には本来分子を集める作用があり、それを用いて活性剤を集め、極小の泡で繊維内に入り込んで、内部から汚れを取る。それが描かれたシナリオで、要は「泡」を使った繊維への浸透力強化、それがウルトラファインバブル洗浄だ。

 洗濯における汚れ落としの第一義は水の繊維への「浸透力」なので、ウルトラファインバブル洗浄のシナリオは正しい。よってそのシナリオ通りに洗えるのであれば、間違えなく洗浄力は上がるだろう。

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「一年後の白さが違う」ちょっとまって欲しい

 しかし問題がない訳ではない。それは機械ではなく、キャッチフレーズの「一年後の白さが違う」についてである。お客様は一年後ではなく「今」の白さを求めているわけで、着続けるかどうかもわからない「一年後」の話に持っていくのはどうかと思う。

 大体で一年後どうなっているかと思われるような状態で(注・東芝ライフスタイルは東芝を離れ、現在は中国の美的集団系列のため無関係)そのフレーズは、何のブラックジョークかと言われかねないのではないか。

 どうせ訴えるのなら「一年後も変わらぬ白さを」など、今も未来も共に良いといった感じのフレーズにすべきではないかと思う。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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