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撤退した店舗の備品置場を狭小作業場内に作る

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 当方はこれまで、受付店舗を構える一般のお客様向けのクリーニングを主軸として業務を行ってきた。ところが近年、一般需要の減少に伴い、利用客減に見舞われ、店舗の売り上げは右肩下がり。このため、当方では業務転換を行い、全店舗からの撤退を決断した。

 しかし決断したのはよいが、どのように撤退するのかが問題となる。店舗にあるお客様の預かり物や、店舗の什器備品、看板やカウンター等の設備などをどうするのか、考えるべきことはいっぱいだ。

 特に店舗設備と什器備品については購入時の費用は高く、処分するにも費用がかかるものが多い。かといって、残る作業場には多くの設備があり、備品などを置く場所は容易に確保できない。そこで、従来設備を補強して置場を造作して確保した。

作業場内に備品置場を作る

 作業場の全高は5メートル弱あり、配管や服をかけるスリックレールを支えるため、高さ2400mmの位置に50角の角パイプで「やぐら」を組んである。このやぐらに支柱を入れ、作業場上部に床を作り、置き場を確保することにした。

 上部に這わせてある配管のメンテナンススペースを確保したうえで角パイプで床を支える垂木置きを作り、垂木を一定間隔で置いてベニヤを敷いて床を作った。

角パイプは下の支柱と上の天吊で支えている

上部スペースを確保するため、メンテスペースはギリギリ

 この工事は作業終了後、3か月にわたって少しずつ行った。配管部を作り変えれば、上部スペース(高さ1800mm)を200mmは下げられたのだろうが、時間と費用と労力が見合わないと判断して配管部をそのままにして組んだ。

 もともとこの場には3坪程度の置き場が組まれていたのだが、床の位置がこれよりも高かったために、一旦解体し、床面を下げで広さを倍にした。また、費用を抑制するために外注せず、自力で造作した。

 部材については解体した部材と撤退店舗から出てくる部材を使い、足りないものについては角パイプのジョイント部材は業者から、木部はホームセンター等で調達した。費用はおよそ5万円、同様の工法を要求して外注したら30万円だっただろう。

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撤退した店舗備品

 クリーニング業の場合、店内備品はそれほど多くない。これは置かれている荷物の過半がお客様からの預かり物で、お客様にお渡ししきれば、店はガランとなってしまう。

 しかし、それでも設備や備品は多くある。スリックレール、たたみ物を置く棚、布団置き、各種看板、カウンター、レジ、受付周り備品、包装部材等々である。

 これを使えるもの、使えぬものに選別するように指示したのだが、従事した者たちが整理要領が悪いため、細かく指示を出さざる得なかったのが大変だった。撤退するというのはモチベーションが下がる作業のため、やる気が起きなかったのである。

 仕事は1人ではできないものなので、能力的な低さは我慢して指示しなければならなかった。というのも、この備品等々もすべて会社の「資産」であり、合計すればバカにならない金額となるからである。「資産」は従業員には一円の財産にもならないが、経営者にとっては会社の財産なのだ。

 例を言うなら、例えば番号札は一枚50銭、札を付ける際に服に付けるピン(スナップピン)は1円、お客様にお渡しする袋は高いもので1枚12円50銭する。そうした数字を頭に入れて作業するのとそうでないのでは全く意識は異なるのである。

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作業場に店舗備品を搬入する

 店舗で仕分けた備品は、作業場で使うものと収納するものに分け、収納するものについては目録を作り、箱詰めできるものは箱に入れて作業場に搬入した。

 消耗品を中心とする資材については優先的に作業場で使うようにした。中にはため込んでしまって、存在すら忘れられた資材もあって、こうしたものだけでも数万円分存在した。

 一方、カウンターや取り外した看板など収納するものについては造作した備品置場に搬入した。

作業場から見上げた資材置場

このようにして店舗備品は資材置場に置かれている

 この上に置かれた店舗備品や資材の合計金額は300万円相当である。いずれも購入時であり、資産価値としては皆無だが、再度店舗営業する際には必要なものであり、なければ用意しなければならない。

 これをガラクタと見るか、資産と見るかで考え方が全く変わってくる。

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店舗撤退に関するアレコレ

 店舗撤退の際に出たゴミの量はゴミ袋80袋分で、店舗備品を受け入れるために作業場から出たゴミの量は70袋分である。加えて廃棄する紙は紙袋50袋分、鉄の廃材は約1トンほど出た。

 この量を毎日徐々に処分し、紙は自宅で、鉄は持ち帰りたい人に持って帰ってもらって処分した。また店舗営業は物件返却ギリギリまで行い、家賃や人件費の足しとしたため殆ど出費はなく、資材置場で使った資材費5万円のみという、驚異的な少額費用で済んだ。

 1店舗は完全撤退したが、もう1店舗は営業譲渡を行ったので、当方で常時使う資材以外は全て譲渡した。1円のお金にもならないが、1円のお金を支払うこともないわけで、これはこれでよかったと思う。

 また従業員に関しては離職確定者や配置転換を行ったため、半分の人数となり、業務転換後はその体制で運営している。費用や犠牲が伴うのがつきものである閉店などの業務転換は比較的スムーズに行えたのではないだろうか。

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それから一年後

 店舗の撤退によって売上の4割近くを失ったのだが、残った外商部門が好調で、そのうちの3分の1を穴埋めするなど、売上は予想以上に堅調に推移している。また従来かかっていた家賃などの店舗経費がなくなったため、赤字月がゼロとなった。

 従来クリーニング業では、売上が上がる春場以外はトントンか赤字で、春場で大きな黒字を出して、他の月を穴埋めをするのが常だった。近年はその春場の黒字が減少し、赤字月が増えて経営が成り立たなくなっているのだが、それでも春場の黒字額は大きかった。

 今の当方ではそれがなくなってしまったため、大きな黒字で一気にプラスという方法は使えなくなってしまった。だから小さな黒字を積み重ねて、プラスを増やすしかなくなってしまったのである。

 ただ同業者が言うのには、他がヒマなのに常時仕事があることに驚かれ、赤字の心配がない環境は羨ましいと言われた。何しろ8月の売上が3月を上回っているという業界的には無茶な現象が発生しているので、驚かれるのも無理はないかもしれない。

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おわりに

 店舗撤退で250万円分の備品等を資材置場には収容できた。しかし現在、その方法が正しかったかどうかについては、考えあぐねているのが現実である。

 というのも今後当方が店舗運営を行うときが来るのかどうかといった部分や、場所の確保にかけた労力や負担が適正だったのかどうかについて考えたとき、妥当であったかどうかについては考える余地があるのではないかと思ったからだ。

 時代は流れ、移り変わっていく。使わないものを「資産」だからだと溜め込んでしまっているだけでは、使えるものもやがては使えないようになってしまう。使えるもの使えるときに使ってこその「資産」なのだから。

 しかし最近、あるものが壊れてしまったため、20年間残しておいた部財が使われるという事態が起こったりもしているわけで、このあたりの「何を残して」「何を残さない」のかについてはまだまだ検討していく必要がある。

 

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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