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年金受給の選択肢上限「75歳」軸に検討←これが週刊ポスト記事の実態

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現在 「高齢化社会に関する有識者の検討会」で年金受給繰り上げ上限を現行の70歳から75歳に引き上げる案が検討されている件が報道されるようになった。

 年金の受け取りを70歳まで遅らせる代わりに、支給額を増やせる制度について、今後、政府で選択肢の上限を「75歳」に引き上げることを軸に検討されることがわかった。
 現在、年金の受給開始年齢は原則65歳だが、希望者は70歳を上限として受け取る年齢を選択することができ、遅らせた分だけ、毎月の金額を増やすことができる。

ーFNN 年金受給の選択肢上限「75歳」軸に検討

 政府の「働き方改革」の一環であるこの議論は、2019年にも行なわれる見通しで、労働者人口が減り続ける中、やる気のある高齢者に働き続けられる環境整備の一つとして据え置かれることになる。

「繰り上げ」年齢の上限引き上げで年金受給減?

 これまで週刊ポストでは断続的に「年金制度」について巻頭特集を組み、この「検討会」が「年金制度大改悪」の狼煙になるとして煽ってきた。そのことについては当サイトでも複数の記事を書いている。

 しかし週刊ポストが煽ったその本当の中身は「65歳から受給できる年金を「任意」に繰り上げできる年齢上限が70歳だったのを75歳にする」だったのである。しかも一年以上先の2019年から議論かつ、「働き方改革」の目玉の一つというのだから、記事の内容の精度の低さといったらこの上もなく低い。

 政局や官庁の決定施行プロセスを無視するような三流「年金専門家」に解説させたところで、まともな分析やシュミレーションなどできるはずがないではないか。巻頭まで組んで素人分析にも劣る内容を掲載して、カネをもらってよく書けると感心する。

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完全に見誤った週刊ポストの年金記事

 ただ、現在「生涯現役社会」を掲げる「働き方改革」の一環として「年金受給年齢繰り上げ上限の引き上げ」が検討されているわけであるが、もちろんそれで終わるはずはないだろう。週刊ポストのその見立て自体は間違ってはいない。

 しかしその内容が問題で検討会の内容をもって「年金受給開始年齢が75歳」になることが決定したかのように扱い、記事を書いて不安を煽って雑誌を売ろうという性根が間違っている。

 年金受給開始年齢を引き上げるためには年金法を国会で改正せねばならず、国民的な抵抗の大きいこのような改正を当選回数の少ない人が多い今の国会議員が踏み込む勇気などとてもではないがないだろう。週刊ポストの「妄想」は一足飛びに進むわけがないのだ。

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年齢の上限引き上げの「真の狙い」

 そもそも週刊ポストの誤りは現状ではハードルが高い「年金受給開始年齢引き上げ」にスポットを当てた点である。その方が部数が増えるという浅ましい判断がそれをさせたのだろうが、結果として素人から鼻で笑われるような稚拙な内容に終わってしまった。

 むしろ重要なのは「年金受給年齢の上限引き上げ」自体であり、この引き上げを足がかりとして年金受給繰り上げの計算を変えていく可能性があると考えたほうが自然だろう。

 具体的に言うなら現行では65歳で受け取る人の受給年金を100とするならば、70歳に繰り上げると141になる制度そのものの変更である。つまり繰り上げ年齢の上限が引き上げされ75歳となった場合、その75歳で「141」とする「受給繰り上げ制度」の変更である。

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繰り上げの中央値が65歳から70歳に移る

 現行65歳の年金受給年齢をそのまま維持しつつ、受給繰り上げ制度で70歳を「100」とした場合、65歳の受給年金の数値は単純に「69」となる。

 例えば年金受給額が月額20万円の人だった場合、現行では65歳20万、繰り上げ上限70歳で28万2千円となっていたものが、この方法ならば65歳で13万8千円、70歳で20万円、75歳で28万2千円となるのである。

 これなら政治家も「年金受給年齢65歳は維持した!」「年金受給開始年齢は守りました」と主張できる。大事なのは年金受給開始年齢の維持であって、金額の維持ではないとか真顔で言いそうで怖くなる。

 年金受給開始年齢の維持は企業側、経済界にとっても重要な事で、年金受給開始年齢自体が引き上げされてしまえば、その期間従業員の面倒を何らかの形で見なければならない状況に追いやられるわけで、形だけでも受給開始年齢が維持されていれば、そうした負担は発生しない。

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おわりに

 週刊ポストはこうした現実的なシナリオについて記事を書くべきで、むしろそのほうが少子超高齢化社会で起こるであろう様々な問題について様々な形で切り込むことができただろう。

 年金問題を煽ってメシを食うといった十年前の焼きまわしに終始しているのは、年金の前に自分らの出版業界が崩壊していくことへの恐れからとしか思えない。

 そもそも活字媒体なぞ、ネット時代の今日、よほどの事がない限り読まれなくなっているわけで、ネットを見ない情報弱者を煽ってカネをせしめる手口からいい加減に卒業しないと、本当に世の中から見捨てられることになる。

 社会参加している自覚があるのなら、もう少しマトモな記事を書き、問題点を惹起して社会の役に立つべきだろう。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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