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年金受給が40代は70、30代は75を視野に?

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 最近、内閣府で年金に関する検討会が開かれ、「75歳以降の年金受給」との意見が出たことが報じられている。(朝日新聞「年金受給開始「75歳とか…」 内閣府の検討会で意見」)

 実はこれより前に自民党の年金受給に関する検討会で議論されたものの伏線である。(朝日新聞「「年金受給開始、70歳後も選択肢に」 自民PT提言へ」「超高齢化社会…70歳まで「ほぼ現役」 自民PT提言案」

 これらの経緯について、ご存知でない方も多いかもしれないが、実は遡ること10年前、あの「消えた年金」問題以来、年金受給(年金供給問題)に関して、静かに、だが確実に議論や検討が行われてきたのである。

 政治的な経緯に触れなければならない点があるが、これから先の長いであろう人生設計の中で「年金受給」は大きなウェイトを占めているわけで、知らないわけにはいかないだろう。その動きを把握しつつ、今後の流れを予測し、採るべき道について冷静に考えることができれば幸いである。

「超高齢化社会」

 この言葉を元として65歳以上とされている高齢者の定義を、日本老年学会などが「75歳以上」とすべきだとの提言。これを受けて年金受給開始年齢を「フレキシブル」に行えるようにし、60代以上の人の中でやる気のある人が働ける社会を作ろう、という方針がこれまでの流れだ。

 もっとも、これは表層的なものでしか無い。重要なのは高齢者の定義が「65歳以上」から「75歳以上」に変わったことである。つまりこれまで「高齢者」だった74歳までの人が、政府内の検討で「高齢者」ではなくなってしまうのだ。

 この意味を単純化してみよう。ハッキリ言えば年金は高齢者が受給するものであって、高齢者でない人が受給するものではない、という意味だ。つまり将来、74歳までは原則として年金が受け取れなくなると見てよい。究極的に言って、その為の準備が行われているのである。

 これによって問題は「将来」がいつ、どの世代がターゲットとなるのかに移ったのである。つまり政府側から言わせると「速やかな移行プロセス」の検討の時期が来たということになり、最終的にはどのタイミングでの政治決断が行われるか、という話となった訳である。

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「消えた年金」のトラウマ

 10年前に起こったこの問題を機として、当時の自公政権は参院選に惨敗し、当時の安倍政権は退陣。その2年後には自公政権は総選挙でも敗北し、代わって民主党が政権を握った。

 民主党は消えた年金問題を厳しく追及していたため、投票した有権者の多くが年金問題について大ナタを振るう事を期待されたものの、結果として見たとき期待に応えたとは言い難い状況のまま、やがて政権からの退場を余儀なくされた。

 この間の5年、社会保険庁が廃止され、業務は「日本年金機構」に移管。「ねんきん特別便」を定期的に送るなどといった変化は起こったものの、根本的な年金制度の改定などは行われなかったのである。

 そしていつしかメディアも全く報じなくなり、まるで「年金の問題」は解決した、あるいは無かったかのような空気が醸成されている。しかし、制度の根幹が変わっていない以上、なんら解決しているわけではないのだ。

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政権交代の狭間の中で

 2012年(平成24年)の総選挙で自民党は経済政策一本に絞り勝利し、政権に復帰する。その「経済政策」の一環として「60代以上の経験を活かす」ことを掲げていた。実は野党時代から自民党内ではこうした内容が検討されていたのである。

 この名分は党内抗争にも用いられ、議員定年制度(自民党の場合、比例候補者に年齢制限が設けられている。各党によって対応が違う)での候補者擁立において、「高齢者の経験を活かす」政策を掲げていることを事由として定年年齢を越えた候補者がねじ込まれた事も起こった。

 だが本筋としては、やはり「年金問題」を視野に入れての政策なのである。つまり年金の払いをいかに遅らせてながら、暮らしが維持できるようにするべきなのか、という自民党なりの政策アプローチと見ていいだろう。

 こんなことを書けば「自民党め!」との声も聞こえそうだが、過去を問わず「今」という視点で考えた場合、他党がこの年数(7年程度)連続して考えてはいないので、内容の是非はともかくとして政治的な動きとしては評価をしてもよいだろう。

 むしろ問題なのは国民とメディアが一過性に過ぎる点で、これでは政治家や政党がマトモに検討する訳がなく、誰もがメディア受け最優先でモノを考えてしまうだけである。それが結果として自民党案しかないような状況を生んでしまっているとも言えよう。

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繰り上げされていく年金

 よく「年金は破綻する」「年金はなくなる」という話をする人がいるがそれは誤りである。なぜかと言えば「納める人のお金を受給者に分配する」システムだからであり、金額が少なくなっても(仮に1円になったとしても)払われ続けることになるからだ。

 しかし現実問題「1円」の受給など無理な話で、出来得る限り手立てを施し、受給者の受給金額を維持しようということになる。方法は主に5つある。

  • 積み立ててきたお金を運用し、運用益を使う
  • 積み立ててきたお金を取り崩す
  • 税金の一部を回す
  • 年金の掛金を値上げする
  • 受給者の数を抑える

 実はこれ、もはややっていることなのである。特に年金の掛金の値上げは10年に渡って年率0.5%づつ値上げされ大きな負担となっているし、受給者数を抑えるために60歳からだった受給年齢も段階的に65歳となった。

 しかしそんなものでは追いつかないくらい高齢化のスピードは上がっており、最終的には65歳以上の人1人を支える現役世代の人数は1.3人という試算が出ており、その点から見たときには「年金問題」は単なる一つの問題にしか過ぎないとも言える。

 すなわち有益にして唯一の手段が「高齢者の繰り上げ」であり、仮に70歳以上を高齢者とした場合、「70歳までの」現役世代が1.8人という見ることが可能な数字となる。しかし、それは同時に年金の受給年齢の繰り上げを意味することとなるのだ。

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まとめ

 経緯などについて、もっと詳しく書くべきなのかもしれない。だが我々は官僚や政治家、年金の専門家となりたいわけではなく、「暮らし」についての長期的な組み立ての標となる情報が欲しいだけの話である。

 そうした中、こうした情報を読み取って対処するにはむしろ大まかな方がわかりやすいだろう。だからこそ「40代は70歳受給、30代は75歳受給」と書いたのである。

 逆に50代以上の人々の場合、受給年齢が動く可能性は低い。なぜなら政治日程として遡上に上がってくるのが「オリンピック後」の公算が強いからで、これを政治的に「2020後」という。そこの頃には既に60代に食い込む人も多く「逃げ切れる」訳である。

 ただ一方で、受給金額についての現在(物価スライド方式という)に変わる新ルールが作られるかもしれず、受給者サイドとなる事を考えればそちらの方が重要となってくるだろう。

 この話については折をみて書いていきたいと思います。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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