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家庭向け冷風扇の新しい活用法

投稿日:2017-06-07 更新日:

 空調設備が行き届いている家電量販店やホームセンターなどで、実機が動いているのを見て「涼しいからこれでいいや」と買って後悔したという声が少なからずある一般向け冷風扇。

 過去二回に渡って冷風扇関連の記事を書き、一般向け販売の冷風扇の多くが、非力な冷却能力しか持ち得ないゆえに起こった悲劇であることを書いてきたが、その非力な冷風扇が合理的な活用法で新たなる需要を掘り出そうとしているのである。

変化するライフスタイルの中で

 かつてクーラーは贅沢品だった。もし家で昼間からつけていようものなら「無駄遣い」と指弾されたものである。電気代を抑えるため、どうしても必要なときだけつける、それがクーラーだった。

 ところが近年、状況が変わってきている。クーラーを入り切りするより、24時間稼働させた方が電気代が安い、との話が広く知られるようになったことから、それを実践している人が世代を越えてふえているのである。

 これはマンションを中心に密閉度が高くなった住宅事情と、エアコンのインバーター制御の精度が上がってしっかりした温度管理が行えるようになった事が主因である。つまり一定温度の方がエアコンが稼働しないので電気代が安いとなったのである。

 これは私の実家が16年前にリフォームした際、部屋の密閉度を上げて大型エアコンを導入し、実際にそのスタイルの暮らしをしているので本当の話だというのはわかる。

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日本の電力事情

 一方、近年日本の電力事情に大きな変化があった。東日本大震災である。この地震を機として節電が叫ばれたり、電力料金は値が上がるようになった。これに対し、電力自由化をはじめ価格を下げる動きもあったが、基本的に値が上がる傾向に変わりはなかった。

 そうした中、エアコンの利用法も半ば修正を求められるようになる。「弱冷」である。空調の温度を上げる運動などが展開されたことは記憶に新しい。エアコンの24時間稼働を行っている人の中でも、料金や節電の概念のもとに「弱冷」を行っている人も多いだろう。

「弱冷」は確かに電気代が少なくて済む。設定温度が元々高いため稼働する回数と時間が少ないのだから当然といえば当然の話なのだが、一方で「少し」暑く感じる人々が増えたのである。その人々は「少しの涼」を求めていた。そしてその「少し」に冷風扇が当てはまったのだった。

 そこに一般向け冷風扇が入り込む余地があったのである。

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非力が武器に変わるとき

 エアコンというのは「エアーコンディショナー」直訳すると「空気調整機」となり、決して冷房機器だけを指したものではないのだが、冷房のみのエアコンが多かった事から、エアコンは半ば冷房だと思われるようになった。

 冷房の仕組みは冷やしたフィンを枕として、そこに風を当てると冷えた空気と空気が冷えたことで抱えきれなくなった水が出てくる。これがエアコンの除湿効果とされるものだ。

 この除湿された環境に冷風扇が置かれるとどうなるのか? 水の気化熱で涼やかな風が流れ出る一方、密室では上がるとされる湿気はエアコンが除去する形となるので、冷風扇のデメリットをエアコンがフォローした形になる。

 つまり家電量販店やホームセンターで動いている涼やかな冷風扇の風が、家庭でも起こせる環境が実現するのだ。クーラーと冷風扇の組み合わせのデモを見て、それをそのまま家庭で行うわけである。

 そうなってくると冷風扇を選定する基準は大きく変わる。静かで小型で見栄えのよい、メンテ性に優れ、人の動きに合わせ容易に動かすことができるコンパクトな冷風扇が最適という話となる。

 大きな力がなければ威力を発揮できない冷風扇。そうではない非力な小型機が「弱冷」の潮流の中、エアコンのフォローを受けながらその非力さを買われ、支援機としての活躍の場が生まれたのである。

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まとめ

 エアコンの環境下で働く冷風扇には強力な冷却能力は要らない。ある特定のところをスポット的に冷やすだけでよいのだから。家全体を弱冷として、人がいるところだけを冷風扇で冷やすということなら、冷風扇の湿気について考える必要がなくなり、かつ電気代も抑えられるメリットが出てくる。

 また、こうした需要は十分に余地があるため、こうした種類の冷風扇の活躍の場は予想以上に多く提供される可能性を秘めており、今後、そうした需要に特化したタイプの冷風扇が登場してくる事も考えられる。例えば冷風扇にセットする水の中に香料を入れるなどの提案が現になされている。

 そういう事情で、単独で冷却能力を有する冷風扇を「気化式冷風機」として、「エアコン+冷風扇」として使う冷風扇とは違う機器として扱ったほうがよいだろう。それに非力だが静かでメンテ性やデザイン性に優れた冷風扇が、逆にこれからの時代の主軸になる時代がやってくるのかもしれない。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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