新しい家庭の洗濯についての研究 最新情報

家庭でできる「よい洗い」を考え抜く 4

投稿日:2017-05-14 更新日:

 これまで「洗剤」「温度」「機械力」という洗濯の三要素から、業務用洗濯の考えで家庭での「洗濯」「すすぎ」について考えてきたが、今回は脱水うぃ中心に考えていきたい。

何のために脱水するのか?

 脱水は洗濯やすすぎのあと、被洗物が吸っている水を遠心力で出すための工程である。洗濯時には洗濯水を出すことで、すすぎ時に服が水を吸える状態にするのだ。これによって効率的にソープ濃度を下げることが出来るのだ。

 一方、すすぎ後の脱水の方はすすぎの水を服から出すことで、干した際に起こる水の重みによる服の伸びを防ぎ、速やかな乾燥を行なうためのもので仕上げに直結する洗いの最終工程である。

 よって洗濯時の脱水とすすぎ後の脱水は内容が違う。洗濯時脱水はすすぎのための脱水であり、すすぎ後の脱水は干したり仕上げに直結する脱水だ。

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もしかして絞りすぎ?

 洗濯物を干す際、縦に筋が入っていたり、アコーディオンのようになってしまっていることがあれば、それは明らかに絞りすぎである。被洗物の水分を出来る限り抜こうと長く脱水したのだろうが、実は絞ったその水。その水も仕上げにとって重要なのだ。まずある程度、水分が残っていないとシワが伸びない。繊維が含んだ水の重さ、つまり自重によってある程度のシワを伸ばすのだ。

 家庭では業務用と違って仕上げ設備は極めて貧弱だ。あってスチームの弱いアイロン程度しかないため、その設備で伸ばせる洗いを行わなければならない。だから業務洗濯以上に絞りは重要となる。乾燥速度よりもシワなし洗いがとにかく第一。絶対にシワを作らずに洗うレベル、アイロン不要でシワが伸びるレベルの洗いを心がけるべきである。

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適正な絞りの時間

 洗濯時脱水とすすぎ時脱水ではその役割は違う。当方ではこれまで触れてきたすすぎ時にクエン酸を投入する洗濯法を行っているが、それに基づいた方法で行なうと以下のような考えとなる。

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洗濯時脱水

 洗濯が終わって脱水に入るが、しっかりした脱水工程(高速脱水という)は十秒ほどで良い。少量の弱アルカリ性の成分がすすぎ時に必要だからである。成分をあえて残すことによって、すすぎ工程での弱酸性のクエン酸投入で液性を中和し、被洗物を白化させる。

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すすぎ時脱水

 洗剤量投入を半分以下に抑制していることから、すすぎ時のクエン酸投入によって、すすぎは一回の工程で良い。このすすぎで素材に合わせた少量の仕上剤を入れ、絞りに入る。シワをつけない絞りで、一定速度の乾燥を行なうため、洗濯時脱水より長い一分程度の時間が望ましい。

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絞りは仕上げへの入り口

 洗濯工程が終わると乾燥作業である。乾燥機がない場合、洗濯ハンガーや洗濯ピッチなどを使って干す(「干しあげ」、という)のだが、この際、必ず服を左右対称にしてかける必要がある。これによって洗いで生じたヨレやネジレ(特にTシャツなどのニット地)をある程度治すことが出来る。

 それでもヨレている場合ならば写真のようにTシャツの下の左右の縫い目を持ってバシンとはたくとある程度ヨレは補正される。

 その後、ハンガー(出来る限り分厚いものがよい)に干せばヨレはましになる。

 この写真のものは幅65mmだが、それより分厚くてもよい。スーツハンガーで干せば一定の整形ができる。またシャツ内の空間が広く取れるので厚めの洗濯ハンガーよりも早く乾く。干す段階で両袖に手を通して風が通る空間を作ることも効果的である。

 気に入ったTシャツだけをこうしたハンガーを使って干せば、それだけでもキレイに仕上がる。アイロンだけが仕上げではないのだ。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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