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家庭でできる「よい洗い」を考え抜く 2

投稿日:2017-05-07 更新日:

 エントリー「家庭でできる「よい洗い」を考え抜く 1」で温水と軟水を使って粉末洗剤の使用量を落とす洗いについて説明したが、減った粉末洗剤の能力を補填するための助剤(ビルダー)について考える。

少ない洗剤でアルカリ性を維持する

 粉末洗剤を3分の1にすることで生じる第一の問題はアルカリ剤の減少である。それを補うには別のアルカリ剤を入れれば良い。ズバリ漂白剤の過炭酸である。製品名を言えば花王の粉末ワイドハイターである。直ぐに手に入れられ、値段も安定しているからだ。

 どれ位入れればよいのかといえば50Lの水に3g程度でよい。極めて少量なのでわざわざネットで高額な過炭酸を買わなくとも近くで手頃な量と値段の粉末ワイドハイターで充分なのだ。量が少ないと思っている人は基本、洗剤入れ過ぎなのである。

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液体洗剤を考える

 これまで粉末洗剤のみについて考えてきたが、液体洗剤に目を向けてみる。家庭用の液体洗剤は家庭洗濯で粉末石鹸の使用によって残りがちな石鹸カス(単に撹拌できていないだけなのだが)が出ない点を売りにしたものが多く、洗浄力という点では値段は高いが粉末と同程度という製品が多い。

 当方では酸素系液体漂白剤(過酸化水素水)と弱酸性洗剤、あと中性のリモネン洗剤を持っている。洗剤で一番高額なのはこのリモネン洗剤だ。原体が15キロ5万するので仕方がない。

 酸素系粉末漂白剤を入れたドラムに酸素系液体漂白剤を入れる洗濯法はクリーニング業界では比較的行われている方法だ。それは過酸化水素水が安い部類の材料だからだが、入れるのは温度が40度まで上がってから投入する。比較的早く効果が切れる(即効性)ため、効果的に反応する温度以上で投入すれば少ない量で無駄なく反応させることができるからだ。

 このようにいかに材料を減らしてながら洗浄力を上げるのかを考えて洗っているのである。家庭であれば液体ワイドハイターで代用できる。粉末ワイドハイターの投入分の倍数ccでよい。温度は35度以上が適当である。

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業務用リモネン洗剤とは

 dーリモネンと呼ばれる柑橘系の皮から抽出した物質で、油の一種。原体は燃えるので石油系溶剤の扱いを受けている。発泡スチロール等のプラスチックをよく溶かすので、クリーニング業界では界面活性剤を混ぜた洗剤が販売されている。

 物質自体は以前からあったが、業界で広まったのは今世紀に入ってからで、生活スタイルの変化によって水洗いが増加し、水洗で使える中性の油性落とし洗剤が求められるようになったからである。

 それまでの業界での中性の油性落とし洗剤は石油系とアルコール系が用いられていたが、プラスチックを溶かすほどの油の溶解力を持つリモネンは積極的に用いられるようになった。問題は価格で他の油性落とし洗剤にくらべ倍から三倍するため、躊躇する業者も少なからずいる。活性剤が入っているので洗剤として充分使えるのだが、当方では水洗の油性落とし助剤として投入している。

 こういう洗剤としては高額資材なために、一般的な家庭用洗剤では入れられてはいるものの、本格的な量とまではいえない。だが、それでも一定の洗浄能力があるためリモネン入り洗剤は評判が良いようである。

 私の妻が「ガスコンロ周りの油汚れを落としたい」というので、普段使っているリモネン洗剤を十倍希釈し、キッチンペーパーをコンロの上に敷き詰めてスプレーして放置するように伝えたところ、何もしなくてもベトつきが飛んで大喜びするというくらいの溶解力を持つ。中性のため手袋等を着用する必要はなく、泡切れもよいため水拭き一回でよい。強力なのに手荒れの起こりにくい洗剤である。

 この洗剤が一般向けどころか業界向けレベルでこのクラスのものが大々的に流通できない(高いから)のは残念である。もし、当方が持っているリモネンを入れるのであれば5ccも投入すれば十分だろうと思う。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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