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家庭でできる「よい洗い」を考え抜く 1

投稿日:2017-05-07 更新日:

 「よい洗い」とは単に汚れが取れる洗いではない。よい洗いとはすすぎ工程を含めた上で被洗物を「汚れなく」「シワなく」「匂いなく」洗い上げる事である。だからこそ「洗い」工程は極めて重要なのである。
 「洗い」をしっかりと考え抜かなければ。次の「すすぎ」を考える事はできない。どのような洗いを経た上で、次のすすぎ工程を考えるにはどうするべきかを考察する。

究極の「洗い」の三つのポイント

 複数のエントリーで洗剤の種類と役割、洗浄の三要素、洗浄とは繊維への浸透力である点などについてを指摘しているが、これを大きく捉えると以下の点が重要である。

・温水を使う
・軟水で洗う
・洗剤を減らす
 
 温水は35度から40度の範囲がよい。人肌に触れて汚れているものはその温度で融解する。つまり人間の体温と同じ温度で洗うのがベストである。但し、条件があって白けないもの(色落ち、色泣きしないもの)が前提である。よって被洗物の仕分けは非常に大切になってくる。
 軟水は洗剤の水への溶解力を促進させ、少ない洗剤量で繊維への水の浸透力を増幅させるので、本当に良い洗いを実践するには必須のものである。
 問題は洗剤を減らす、の部分である。一口に洗剤といっても様々な成分がある。軟水にしろ温水にしろ、何のために入れているのかと言えば洗剤の作用促進なのだが、洗剤のどの部分の作用を促しているのかまでを考えなければ、被洗物の汚れを除去するのではなく、単に洗剤をケチっている事にしかならない。

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洗剤の何を減らして何を増やすのか

 洗剤の主要な5つの成分(界面活性剤、アルカリ剤、漂白剤、蛍光増白剤、酵素)のうち正確に洗剤といわれるものは界面活性剤のみである。石鹸にしろ、合成洗剤にしろ、狭義の意味の洗剤は界面活性剤である。では後のものはなんなのか? これを助剤(ビルダー)という。温水や軟水は界面活性剤の支援にはなっても助剤支援はできない。だから狭義の意味の界面活性剤=洗剤、石鹸を減らし、助剤のウェイトを増す事が正しい汚れ落としを行なう洗い術になる。

 軟水の効果温水の効果油汚れ作用水溶性作用
界面活性剤絶大多いあり多い
アルカリ剤ありあり多いあり
漂白剤あり多い多いあり
蛍光剤なしなしなしなし
酵素少ない多いありあり

 洗剤内の5つの成分の汚れへの作用と軟水と温水による効果を表した表である。まず蛍光剤に関しては無視してよい。軟水は界面活性剤が恩恵を受けた感じとなる。温水の効果はどの成分もある。また油汚れと水溶性の作用を見てわかるように界面活性剤とアルカリ剤・漂白剤は表裏一体であることは見て取れる。

 アルカリ剤と漂白剤(過炭酸)が似たようなものなのは両方アルカリ性だからである。安いのがアルカリ剤、高いのが漂白剤だと考えていい。この事から軟水によって大きく減らす事ができる界面活性剤と共にアルカリ剤自体も減らすということを割り切って考えれば洗剤(アルカリ性粉末洗剤)は半減ではなく、三分の一レベルまで落とすことができる。その代わりに容易に手に入れられる過炭酸を少量継ぎ足せば良いのである。

 粉末洗剤を減らせば蛍光剤と酵素も減ってしまう。だが蛍光剤は凄まじく僅かな量で(0.1g以下のレベル)でも効くので本当に無視してよい。酵素に関しては一般市場で「酵素」のみで手に入れにくい(お店で買えるレベル)ので、他の方法を考えたほうがいいだろう。

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すすぎに渡すためにしなければならないこと

 温度をかけて洗うということは、反面シワを増やすリスクを負うことになる。これを回避するには洗浄液を排水(脱水)した後、最低水位の水を投入して一分洗ってから脱水する。こうすることでシワを作らず、少ない水量で、かつソープ濃度を落とした状態ですすぎ工程に回すことが出来る。

 なお絞り(脱水)も一分までがベストである。この状態でも通常の家庭洗濯すすぎ一回目終了後よりもソープ濃度が低い状態ですすぎ工程に回すことができる。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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