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家を買ったが苦しいので・・・の続きの話

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 「家を買ったが苦しいので売りに出している人の話」で、思い切って家の購入に踏み切ったものの身動きできず困っている友人の話を大まかな流れで書いた。

 この中で契機となった「リーマン・ショック」を受けての日本政府の対応や、ローンに対する考え方などについてもう少し深く書いてみたい。

リーマン・ショック時の日本の情勢

 「リーマン・ショック」が起こった当時、日本の政界では民主党が躍進、大きな支持を得るようになっていた。一方、1年前の参院選に敗れた自民党では総裁の交代が続き、退潮傾向の中、麻生太郎が総裁に選出されたところだった。

 そのため麻生が首相になると解散を打つ、という見方が専らだったのだが「経済危機に対処する」と宣言し、リーマン対策に乗り込んだ。「定額給付金」「エコポイント」「中小企業貸付枠の拡大」等々、次々と打ち出される政策の中に「住宅ローン緩和」があった。

 一部では、これらの「バラマキ」政策によって自民党の支持が上向くのではと予測する向きもあった。しかし現実は厳しく、相次ぐ混乱や不祥事によって支持率は低下の一途を辿り、総選挙で与党自民党は惨敗、野に下ることになる。

 「住宅ローン緩和」は政権側が弱体化した中、その起死回生策の一環として送り出された政策だったのである。

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民主党政権時

 「子ども手当」を前面に掲げて勝利した民主党は政権を担うことになった。ところが自民党の政策を批判して政権についたものの、麻生政権時に打ち出された政策を取り消すことは容易なことではなかった。

 特に「エコポイント」や「住宅ローン緩和」は好評だったため、そのまま継続し、新たに住宅エコポイント(省エネエコポイント)まで打ち出す有様だった。そのため肝心の「子ども手当」に回す予算がなかったのである。

 そこで無いのならということで考え出された案が「消費増税」で、政権奪取3ヶ月目の段階で検討されるようになったという。しかしこの「消費増税」問題民主党政権を激しく揺さぶっていく。

 しかし民主党政権が揺らごうとも、一旦行われた「住宅ローン緩和」が見直されることはなかった。景気を下支えしたい政府と貸出先を探す金融機関、そして借りて家を持ちたい利用者の意図が完全に合致していたからである。そして自民党が政権に返り咲こうともそれが変わることはなかった。

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住宅ローン緩和への危惧

 しかし「住宅ローン緩和」については当初から危惧する声があった。というのも「リーマンショック」と呼ばれる金融危機の発端は、アメリカのサブプライムローンの破綻をきっかけとしたものだったからである。

 サブプライムローンとは信用力が乏しく、通常ではローンが通りにくい人々に貸し出すローンの総称であり、貸し出す側にリスクがあるため、通常より高い利率が設定されていた。

 また住宅ローンにおいては借り手の最初の負担を和らげる代わりに十年後から金利が上がる仕組みになっており、これが破綻者増の一因になったと言われている。

 「住宅ローン緩和」の構造がサブプライムローンと酷似している。というのが危惧する人々の意見であった。また消費のカンフル剤というが、無理をして住宅を購入した人は、ローンの返済に追われてしまい、結果として消費を低迷させてしまうとの意見も出た。

 しかし多数の人は前向きな評価であったため、慎重な意見や懐疑的な声が広く聞き入れられることはなかった。しかしそれから十年近く経ち、危惧の声は少なくとも友人に関しては現実のものとなったのである。

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何が友人を追い詰めたのか

 せっかく家を買ったのに、すぐさま売りに出す。そのような状況にどうして陥ってしまったのかについて、テーマ毎に改めて考えてみたい。

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ローン額が収入の許容を越えていた

 まさしくその通りだろう。だが友人は「払える」と思って組んでいる。問題は「払える」と思ったが、現実には払うのが大変だったという部分で、ローンのみに全力傾注だったからこそ苦しくなったのである。

 つまりローン組みの際には「いける」と思った金額の半値程度しか支払えないと考えるべきではないかと思う。何よりも家を維持するためにはローン以外の費用がかかる点を過大なくらい見るべきだということだ。

 会社で人一人を雇う場合、かかる費用は中小企業で倍、大手で三倍かかると思え、とよく言われたがそれと同じであろう。

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ローンの組み方の問題

 込み入った話を聞いていないので、これはあくまで推測だが購入時の諸費用を含めてローンを組んだ可能性がある。その場合であれば、間違いなく金利は高くなるわけで、ただでさえ苦しい返済状況の中、更に支払い額を増やしてしまう形となってしまう。

 つまり推測が事実であるならば、お金が乏しいのにも関わらず、自分の首を自分で絞めてしまう選択を採ってしまった事になる。こういったアドバイスは売り手や金融機関が行うケースは少ないのではないだろうか。

 ここはやはり気持ちを落ち着かせ、一呼吸を置き、購入前に情報収集を行い、ローンを組んで返済している経験者からアドバイスを受けるべきなのだろう。ゆっくり決めても物件は出てくるわけで、焦りは禁物だ。

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ローンの年数の問題

 「73歳まで支払いが続く」という表現からもわかるように35年ローンを組んだのであろう。一般に40歳を境目として、長いローンが組めなくなるわけで、そこらの情報を耳にして、それまでにローンを組まなければ、という頭があったのかもしれない。

 しかし結果として考えた場合、現在の常識では働ける環境だとはいえない年齢までのローンを組んでしまったこと自体が間違いだったのである。選択は極端に狭まるが、25年で払える金額のローンを組み、それで買える家を買うべきだった。

 大切なのは家の金額ではなく、自身の支払い能力であり、それを第一に考えなければ全てが崩れてしまう。そもそもローンを組むということは基本、ローンに縛られるわけで体が宙に浮いたのと同じ状態となり、身動きが自由にできなくなる。そのことへの意識が足りなかったと言われても仕方がない。

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情報不足

 なによりもこれが一番の問題なのかもしれない。諦めていたところへ「頭金なしでも家が買えるようになる」と飛びついて、そのまま家を購入する流れとなってしまったわけで、家を買うとはなにか、資産とはなにかについて考える余裕はなかったと思う。

 逆に言えば「家を買う」とか「借金した場合」について、事前に思いを巡らしていたならば、もう少し下調べをしただろうし、詳細に検討もしただろう。

 ただ家を買うときというのは事業立ち上げと同じで「勢い」というのも必要なので、その辺りのバランスは難しい部分がある。ただ薄くとも多面的に検討できれば視野も広まるので、結果としてプラスに働くのではないだろうか。

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おわりに

 今回は家のローンで進退窮まる友人から見える、日本の家事情の問題について考えてみた。もし、これから家を購入する、あるいは購入しようと思っている人がいるならば参考になれば幸いである。

 「暮らしを考える」という観点から、今後も家を購入した人、購入しようと思っている人、購入しようと思っていた人の話を折りを見て書いていこうと思う。家は暮らしの基本であり、ここをどう考えていくのかは非常に重要だからだ。

 その上で、家を持つことの是非まで考える機会ができれば良いのではないかと考える次第である。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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