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家でドライを洗う「だけ」では節約にはならない

投稿日:2017-06-04 更新日:

 ネット上でよく「お家でカシミアのマフラーを洗って節約しました」とか書かれている事がある。おそらくクリーニング代が「節約できた」という趣旨なのだろうが、洗濯屋から言わせればそれは「節約ではない」。

 これは業者だからという僻みで言ってるのではなく、「節約」の意味を明らかに履き違えているからだ。

「クリーニング店に出しても汚れが取れない」

 だから家で洗う。これならわかる。水溶性の汚れはドライクリーニングでは取り切れない。それに不満を感じての家庭洗濯であり、その行動にはポリシーと合理性がある。

 しかし「カシミアマフラーを洗って節約」にはポリシーも合理性もない。なぜなら最初に書いたように「家でカシミアのマフラーを洗うことが節約」にはならないからである。では何故そうなのかを書こうと思う。

お値段以上

 まず「カシミアのマフラー」には通常であればドライクリーニング表示されており、手洗い不可となっている筈である。これは水につければ縮み等が発生し、風合いを損ねるとの判断だからだ。

 これを洗えるという触れ込みで売られているのがいわゆる「ドライマーク洗剤」で通常の洗剤よりも高額で売られている。洗えないものが洗えるということでプレミアがついているわけだ。もちろんそこに使われている資材は基本的に「高い」が、プラスオンされているのも事実である。

 で、そのドライマーク洗剤を使って「ドライクリーニング」と同等の性能、品質の上がりとなるかといえば、答えは「ノー」だ。ドライマーク洗剤を「使うだけ」では縮みや風合いの変化を提言させることはできても、ドライ並とはいかないのである。

 何がいいたいのかといえば「同等以上」の品質を得られるならば「節約」といえるが、劣化させるのであればそれは節約とは言わない。

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真のクリーニング節約術

 ではどう振る舞うのが「節約」といえるのか。この場合、一番ベストな振る舞いは洗濯可の「カシミアタッチのアクリルマフラー」を購入することだと思う。これであればカシミア的風合いを確保しつつ、家で洗っても「同等」の品質が得られる。

 昨今、並のカシミアマフラーよりアクリルマフラーの方が高いケースも多い。だがその高さにお金を出すのは無駄ではないだろう。それは無理のない暮らしをするための「投資」であって、家で洗えるように事前対処しているのである。

 またアクリルは弱アルカリ洗剤でも余裕で洗えるため、仮に汚れたとしても相当広範囲の汚れに対処できる。対してカシミアの場合、家での浸け込み洗いでは取れる汚れの範囲が狭まるのは誰が考えても明らかな話で、アフターフォローという視点から考えても節約にはならない。

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自分の志向に合わせたスタイル

 ではカシミアマフラーが好き、という場合ならどうなのだろうか。今の時代、「カシミアマフラー」は安値で流通しているケースが多い。カシミアとはいっても「カシミア混」だからで、本当のカシミアマフラーが安値で流通する訳がない。

 いわば「フェイク」品とも言えるが、それも世の中のニーズに応えるためのサービスであり、販売業者が悪いのではなく、むしろ企業努力を讃えてよいだろう。ではそうしたものを利用する消費者はどう振る舞えばよいのか。

「捨てればいい」

 この一言に尽きる。実は捨てることも節約なのだ。というのも捨てれば高額なドライマーク洗剤を使い、洗う労力というコストを使わずに済むからである。

 そもそもマフラー自体がシーズンものであり、カシミアマフラーが好きというのなら安価に仕入れて、毎年違うものを使うのが合理的なライフスタイルと言えるだろう。クリーニング代やドライマーク洗剤の費用を使わずカシミアマフラーの購入費に充てる。自身の志向と財布を釣り合わせること、これこそが節約と言えるのではないか?

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おわりに

 よく「節約術」との触れ込みで「家で洗って家計を節約」と書く人がいるが、本当の節約家というのは長く着られるように細心の注意を払っている。例えばスーツを着る人であれば、男性の方はいわゆるパッチ等のインナーを履いてズボンに内側からの汚れが付着しないようにしているし、女性ならば脇にパットを仕込んだりと、ケアに余念がない。

 長年クリーニングの仕事に携わり、多くの衣料の仕分けをする中で、服を見ているだけでわかるようになった。要はくらしが服に出ているのである。そういう人は長い周期でクリーニングを出しており、長く服を着ている人が多いのだ。で、そういう人は基本的にいいもの(ブランド的なものだけではなく)を出す。

 そういう点で「カシミアマフラーを洗って節約」とは、目先の「節約ファッション」であって、とてもではないが「節約術」と言えるものではない。真の節約術は自身のライフスタイルを確立し、そのスタイルの中での合理的な暮らしを最短距離で永続的に行うものだと思う。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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