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ハイブリッドとswitle「スイトル」は技術の異母兄弟

投稿日:2017-05-19 更新日:

 宮田工機製の業務用洗濯機器「ハイブリッドウェットクリーナー」とシリウスが送り出した一般向け湿式掃除機器「switle スイトル」は実は兄弟分である。共に川本栄一氏の発明をベースとしたものである。

 ただハイブリッドクリーナーの心臓部であるノズルはトヨタという自動車業界、一方スイトルは元三洋スタッフという家電業界が世に送り出したという点が大きく異なる。同じ発想から生まれながら、特性が微妙に異なる二つの機器を比較しつつ、相違点を洗い出したい。

宮田工機のハイブリッドクリーナー

宮田工機のハイブリッドクリーナー

ハイブリッドの特殊ノズルとスイトルの機構比較

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ノズル部

 ハイブリッドクリーナーの特殊ノズルは吸引と洗浄液の噴出を同時に行う機構である。吸引部はバキュームモーターが受け持ち、洗浄液の噴出は高圧ポンプが受け持っている。つまりそれぞれが独自のエンジンで動いているのだ。

ハイブリッドのノズル

ハイブリッドのノズル部

 対してスイトルでは掃除機をエンジンとし、その吸引力でノズル先がカーペットなどに吸着する時に発生する負圧によって、スイトル内部の洗浄タンクの水が自律的に噴出する。つまり掃除機のエネルギー一つで吸引と洗浄水の噴出を行っているのである。

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タンク部

 ハイブリッドクリーナーはノズル部のみが独立しており、吸引ホースはバキュームに、噴出部は高圧ポンプからホースで一斗缶で販売されている洗浄液に繋がっている。ノズルが使われる際は洗浄液が一斗缶からポンプを経由して噴出され、バキュームに吸引されて、バキュームタンク内に汚水が残る仕組みだ。

 一方、スイトルではポット内部が二重構造となっており、内側が洗浄タンク、外側が汚水タンクと合理的なレイアウトとなっている。その上に配置されている逆噴射ターボファンユニットが掃除機の吸引により自律稼働して、汚水と空気を分離。更にこの逆噴射ターボファンユニットが起こす風によって汚水の漏れをシャットアウト(エアーシール)し、汚水が外に漏れ出さない作りとなっている。

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バキューム部

 ハイブリッドクリーナーでは、ノズルから噴出される洗浄液をノズルと、被洗物を置く作業版の双方のバキュームで吸引している。作業版に置かれた被洗物はバキュームで吸い込まれ、更に上からシリコンネットで抑えられて動かないように固定された状態で、その上からノズルを動かして洗浄される。洗うときにはバキュームと噴出部の両方が、乾かすときにはバキュームのみでノズルは動かされる。

 スイトルは自己完結型の掃除機アタッチメントの為、ハイブリッドクリーナーのように他の道具や稼動部が存在しない、オールインワン設計である。タンク前面下部の切り替えスイッチで吸引と洗浄液の噴出、吸引のみに切り替えられるようになっている。

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スイトルはハイブリッドクリーナーになりえるのか?

 このように同じアイディアが元になっていても、ハイブリッドとスイトルの開発期間のズレや開発会社、コンセプトで大きく違った製品となっている。

 片や車のシート、片やカーペット。工業用と民生用。目的用途が異なっていることも、形を大きく変えている部分である。それにスイトルでは民生用ということで、使用者が簡便な管理を行えるように考え抜かれたことにより、洗練された高い機能性を備えている。

 ただハイブリッドクリーナーでは独立した高圧ポンプから噴出された洗浄液で被洗物で洗濯しているのだが、スイトルは吸引による自律的な洗浄液の噴出。強制ではない自律した噴出で、衣類のクリーニング用途に使えるかがポイントになる。

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実際にハイブリッドを使っている人々に確認した

 私は早速、ハイブリッドクリーナーの古参ユーザーA氏に連絡を取った。すると興味を示したA氏は、現役業者のハイブリッドクリーナーの使い手のB氏にも連絡を取り、短い時間だがハイブリッドクリーナーについて話を聞くことができた。

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スイトルについて

 面白い!というのがお二人の感想だった。似て非なるものという意見も同じだったが、A氏はアタッチメント一つで完結している点に注目し、大きなハイブリッドクリーナーを小ぶりなスイトルで実現できれば、家庭での高度なクリーニングが可能になると指摘した。

 一方、B氏の方はポット型の筐体を持って服の上を動かせるのだろうかと不安視していた。溶液を入れてのアタッチメントの重さが女性の使用に耐えられるのか、が衣服に使えるポイントだと語った。

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洗浄液の噴出量に対して

 個人的に液の噴出が強制ではない部分が服を洗浄する用途に向くのか向かないのかについて尋ねると、意外な答えが返ってきた。

 「問題ない」

というのである。両人とも最初は高圧での噴出で繊維を洗っていると感じていたが、使っているうちに作業版とノズルのバキュームの洗浄液を吸う力で洗っているのではないかと感じるようになったという。

 B氏は液の浸透を早めているのは液の噴出部の圧力ではなく、バキュームの力で繊維から液が抜ける通過力で汚れを出していると感じたそうで、だったら液は適量が噴出するだけでいいのではないかと思うようになったそうである。

 また洗浄液の噴出量が多ければコストもバカにならないということで、ある程度噴出量を絞っているとA氏はいう。それでも洗浄力が感覚的にあまり変わらないように感じるという。洗浄液が自律か強制か、噴出量の多寡以上にバキュームの吸引力がポイントらしい。

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家庭でスイトルが使えるようになったら?

 「けっこうな話だ」

 二人揃ってそう言った。クリーニングの需要減になるのでは?との質問にA氏は「元々減ってるから問題ない。これから更に減るんだから」と直球で、B氏は「わざわざ無理して低価格の店を利用するより、家でキチンとしたクリーニングが出来るのだったら、それでいいじゃない」と、こちらは変化球で勝負してきた。

 「まともなウエット処理が家庭内でできれば、高いドライマーク洗剤を使わなくても、そこらのクリーニング屋を越える品質ができそうだ」

 「もしこれが洗えるとして使えたら、洗濯屋の方はしっかりドライ溶液を管理してるところしか残れんだろうなぁ」

 「クリーニング屋からすれば本当に家庭と競争となるね」

 「洗濯屋だけじゃなく、洗剤メーカーも大変になるんじゃないか」

 色々な指摘が出てきたが、スイトルでそれが出来るかを全面公開することに関しては「モロ手を挙げて賛成」とのことだった。なんでもハイブリッドクリーナーの使い手自体、実は業界では少ないらしい。

 家庭洗濯で使えそうなクリーニング屋のアイディアについても話が及び、「今の業界のもんは機械に頼ってるから品質がわからん」とか「中のもんに教えるより一般人が知ったほうがまともに仕上げられるんじゃないか」とか何気に業者には厳しい意見を頂戴して散開した。

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まとめ

 現段階でスイトルが「ハイブリッドクリーナー」的な使い方ができるかどうかは不明である。また使えるとしても洗浄工程などはスイトルという機器の特質を見極めて組み立てなければならず、それに合わせた資材を用意しなければならない。

 単に水を入れて使うという話ではないのだ。そんなことをすれば服がやられかねない。使うのは水ではなく溶液でないと事故の元である。

 また検証するには実機が必要であり、まずは注文したスイトルが手元に届いてからの話だ。

 

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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