blog クリーニング業界談 最新情報

ドライクリーニング史を無理矢理でも書いている意味

投稿日:

 私の妻が「ドライクリーニングの歴史」は重すぎると言い出した。

 確かに「歴史」自体が重いのに、クリーニング、それもドライクリーニングという一般の人にはどうにも理解できない、業界人さえ興味を持たないような洗浄システムの歴史を書いて誰が得するのかということだった。

 だがあまり見られることがなかったとしても、ドライクリーニングは我々ホームクリーニング業(一般向け洗濯業)の根幹事業であると同時に、我々の業界が抱える社会問題を含めた諸問題の要因であり、ドライクリーニングに対する業界内を含めた誤った認識や勘違いを少しでも是正するには、やはりある程度のものは書いておく必要があると感じ書き記している。

これからのドライクリーニングの方向性

 日本国内で30年に及んだ「溶剤論争」は石油系溶剤のゾールに収斂される結果に終わったが、海外では主流はもちろん有機溶剤のパークである。しかし近年、「水化」(すなわちウェット化)への転換を計ろうという動きが起こっているようだ。

 しかし欧米をはじめとする諸国では、日本のような大きく分けてパーク派とゾール派が競うような歴史を体験している訳ではなく、その競う中で独自に研究発達した日本のウェットクリーニングとは四半世紀以上のブランクがある状態で、正直、短期間の間にそのような転換は難しいと思われる。

 最近は積極的に情報を取ることをしてこなかったが、日本でクリーニング需要が縮小を続けているのと同じような状況が欧米で起こっているような気がしなくもない。それに日本ではドライ品の水化が進み、特異なケースではあるが、私のところなどドライ比率が一割を切った。

 一割を切ったならドライ機の存在が必要かどうかも含めて考えなければならない時期が迫っているようにも思う。今後ともクリーニングにおける「ドライクリーニング」の位置づけは更に低下していくと思われる。

目次に戻る

ウェット技術の事実誤認について

 一方で欧米では「水化」を訴えて、「オーガニック」や「ナチュラル」を称するクリーニングを行う業者や、家庭洗剤でその潮流を作る動きが起こっているという。

 それを受けて、なにか日本の一部の一般市場で欧米のドライマーク洗剤を持ち込んで「オーガニッククリーニング」「シャンプークリーニング」云々と宣伝している例があるようだが、ハッキリ言って日本のレベルとは「話にならない」くらい低いレベルの資材を使っている。本来彼らは「化学」の使い手であっても「水」の使い手ではない。

 そのような事実を知るためには「歴史」が必要なのである。人の無知につけこんで、それらしい言葉で修飾し、内容を覆い隠した状態で売るやり方は間違っているし、イメージで買う側のモラルもどうかと思う。

 洗濯に関する「水」に関しての研究や運用に関しては、日本の右に出る国は世界のどこにもない。それは自慢をしているのではなく、クリーニングの歴史的背景と高温多湿な気候が混ざり合って「起こってしまった」ことなのである。だからその歴史を書かなければならない。

 その部分を頭の片隅にでも置いてもらえれば、「ナチュラル」やら「オーガニック」などという言葉だけに誑かされることもないだろう。

にほんブログ村 その他生活ブログ 掃除・洗濯へにほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへにほんブログ村 その他生活ブログ 片付け・収納(個人)へ

-blog, クリーニング業界談, 最新情報
-, , , , , ,

関連記事

両親の間でいきなり「クーラー論争」が勃発した

 「ムートンカーペットのスイトル洗い」の検証の為、実家に滞在していたら、いきなり両親が口論が始まりビックリした。発端は父親がクーラーを消したことで、暑いのに何故消す、と母親が食って掛かったのだ。  こ …

漬け込み洗いを過去のものにするハイブリッド洗浄

 毛や絹などを水で洗うため、古くから行われている「漬け込み洗い」。水溶性の汚れは取れるものの、風合いや型崩れを起こしやすく、素材形状によっては元に戻せないものがあるなど、問題点も非常に多い。  これを …

家で洗ったシャツワンピースがクシャクシャで

 妻が洗ったシャツワンピースがクシャクシャだから仕上げて欲しいと持ってきた。あれ?麻の帽子の時に作った仕上溶液を使わなかったのかと聞いたら、「そういう発想がなかった」とのことで、正直「はぁ?」という感 …


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

    知られざる「タイムズクラブカード」の使い方  タイムズ(Times)と言えば駐車場サービスの大手であり、街のあちこちに時間貸し駐車場が展開している。最近では路上の駐車場に留まらず、店舗の駐車場スペースなどの管理も請け負って「タイムズ駐車場」とす ...

    軟水器アクアソフトAQ-S401 レビュー  エントリー「家庭用軟水器 アクアソフト AQ-S401 概要」や「アクアソフトAQ-S401、ネットの片隅で起こった異変!」で度々取り上げてきたヤマダ電機子会社の住宅機器メーカー「ハウステック」が出 ...

    家からウタマロクリーナーが消えた日  風呂場にあった「ウタマロクリーナー」のスプレー容器が消えていた。妻に「どこにやったの?」と聞いたら、「要らないから捨てた」という。まだ残っていたはずだったのにどうして捨ててしまったのか・・・・・ C ...

    switle「スイトル」の実機レビュー1  以前より注文していた湿式掃除アタッチメント、switle「スイトル」がようやく届いたので早速、開封することとした。 Contents1 重くない箱2 スイトル本体を付属品と繋げる3 給水タンクの構造 ...

    本当にいいのか?日立ビックドラムの「ナイアガラすすぎ」の是非  クリーニング業界で「ナイアガラ」と言えば、東京洗染機械製作所の「ナイアガラドライ」を真っ先に思い出す人も多いだろう。大流量の溶剤を一気に流して洗うのを「ナイアガラの滝」に例えたネーミングだが、今回は ...

    家庭用軟水器三選! 3つの軟水器を徹底比較!  エントリー「家庭用軟水器 アクアソフト AQ-S401 概要」でも書いたように、家電大手ヤマダ電機系列のテックハウスが昨年12月に家庭用軟水器を発売したことによって、ニッチな市場である家庭用軟水器周 ...

    嘘だらけのネット情報。真のアクリル毛布の洗い方  家庭で使われる毛布の中でアクリルの毛布の割合はかなりのものになると思う。クリーニングの需要は年々減りつつも出てくる毛布の殆どはアクリル毛布。家やコインランドリーでも相当程度洗われているのではないかと ...

    家庭用軟水器 アクアソフト AQ-S401 概要  これまで洗濯と軟水の関係についてしばしば取り上げてきたが、あくまで業務用軟水器を使った話だった。では家庭用軟水器があるかといえば、実はなかなかというのが現状である。というのも日本は元々軟水の国で、浄 ...

    間違いだらけ!週刊ポストの「年金」記事  私が「年金受給が40代は70、30代は75を視野に?」を書きつつ、危惧していたことが現実となった。 怒りの徹底追及 年金は75歳までもらえなくなる 「働き方改革」に便乗した年金大改悪が年内にも閣議決 ...

    switle「スイトル」の実機レビュー2  エントリー「 switle「スイトル」の実機レビュー1」では書ききれなかったスイトルの内部構造について、早速実機の写真を交えて見ていきたい。 Contents1 アクアサイクロン方式2 清水噴出部3 ...