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スチームクリーナーのスチームファースト評

投稿日:2017-07-08 更新日:

 「スチームクリーナー」という掃除機器がある。低圧蒸気で汚れを溶かして除去する機器なのだが、日本ではこのジャンルはドイツの掃除機器メーカーで高圧洗浄機で知られる「Karcher(ケルヒャー)」の独壇場だった。

スチームクリーナー「スチームファースト」

 ところが最近、米国メーカーが出す「スチームファースト」が人気のようで、スチームクリーナー関係で検索すると上位に「スチームファースト」上がってくる。

 そして上がってくるサイトでは、いずれも「スチームファースト」の優位性をアピールし、強く勧める内容のものばかりである。実際にはどうなのか?

スチームファーストVSケルヒャー

 こうしたタイトルで比較するサイトが多いが、スペックを見る限り基本的にはそれほど大きな性能差があるとは思えない。ただケルヒャーの場合、細かく種類が分けられており、それはボイラーの稼働時間の長短と付属のアタッチメントの多寡である。

 対してスチームファーストは一種類でアタッチメントはケルヒャーのどの機種より豊富だとして「お得ですよ!」と訴えているのが非常によくわかる。

 しかしアタッチメントの使いやすさや使いにくさという感触は個人差があり、単にアタッチメントの種類が多いからといって、それが全て役立つとは限らないのは掃除機をみても明らかなので、あえてここを重要視する必要はないと思う。見るべき部分は全く別のところだ。

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その差は専用資材のアピール

 スチームファーストで特徴的なのは「専用洗剤 スチームマジック」や「水アカ落としカルキ消去パウダー」といった「専用資材」の全面的なアピールである。

 実はケルヒャーも「水アカ落とし」を販売しているが、そこまでアピールしているわけでないのに対して、スチームファーストは大きく推している。

 特徴ということに関してはもう一つあって、販売サイトではファーストスチームに対する「悪い口コミ」を堂々と掲載している。こうした部分も差別化を図る上で重要な要素となっているのだろう。量販店で大きく売る「ケルヒャー」と、ネットや通販でゲリラ的展開を行う「ファーストスチーム」という構造である。

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注目の「専用資材」

  viventeではこれまで数々の洗浄機器と洗浄資材を独立系クリーニング業者の視点で分析してきた。その手前、スチームファーストが販売する洗浄資材に目が行くのは当然の話。そこでこの資材の真贋について、早速分析を行ってみることにする。

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水アカ落としカルキ消去パウダー

 これは貫流ボイラーに使われる「薬注」と同じで、アルカリ性の薬剤である。水道水を沸かして蒸気を作り、その蒸気を吹き付けるというスチームクリーナーの特性上、ボイラー部に水の硬度成分がこびりつくのは当然の話。

 それを強いアルカリ成分で融解除去し、その成分が溶けている蒸気でガラスなどについている同じ硬度成分の「シリカスケール」を除去するというものである。

 この資材を使っても普通の掃除には支障がないが、カーペットやソファー、カーテン等に使う場合は話は別で、アルカリ成分によって色が飛んだり、傷んだりする可能性があり、繊維にこの資材を使うのは好ましくない。

 また家庭用軟水器がある家ではスチームクリーナーで使う水に「軟水」を使えば、スケール自体が発生しないので機器にたまるスケール問題は解決する。

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専用洗剤 スチームマジック

 ヤシ油由来の中性洗剤であると思われる。合成と違って天然である点を強調しているが「洗剤」であることに変わりがないという点は留意すべきである。というのも「由来」であって、ヤシ油ではないからだ。

Q:界面活性剤は体に良くないと聞いていますが?

A:環境や人体に悪い影響を及ぼすのは、主に石油由来の合成界面活性剤です。スチームマジックは天然植物由来の成分を使用していますので、分解されやすく環境にも体にもやさしい、安心してご使用いただける洗剤です。

スチームマジックの紹介ページより

スチームマジック

 どういうことかといえば「ヤシ油」から成分を抽出する作業というものは何らかの化学反応を使い、何らかの工程を経て作られている訳で「天然だから安心」などというものは何の根拠にもならない。だったら「茶のしずく石鹸」も小麦由来の天然成分で安心だったはずだからである。

 ただヤシ油由来成分の洗剤は油溶性とすすぎ力に優れており、そういう見地からスチームクリーナー用の洗剤に採用されたのだと思われる。モノは確かだろうが、売り方宣伝の仕方に注意が必要といったところか。

 ときどき登場する当方の独自資材の洗剤もヤシ油由来の洗剤だが、見た感じスチームマジックの濃縮タイプより濃いと考えられる。これは予測の範囲だが200倍~300倍希釈程度で同等の効果が出せるものと思われる。でないとすすぎなしで使えないからだ。

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おわりに

 今回、たまたまスチームクリーナーを見たのは、スチームクリーナーを自作しようと思ったからで、どういったタイプのノズルが良いかを調べている中でファーストスチームに目についた。

 ノズルや蒸気圧、温度がわかれば貫流ボイラーを持っている当方とすれば、ボイラー部が不要なため、必要なものは減圧弁、スチーム用ホース、ノズルで、それだけで簡便にスチームクリーナーができる。

 作って何をしようかと考えていたかといえば掃除ではなく、衣類洗浄の方に使うための検証用として作ってみようかという気になったからで、この点についてはもう少し調べてみれば、色々検証できるのではないかと思う。何事も勉強が大切だ。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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