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ウォッシュレスクリーニングという発想

投稿日:2017-06-17 更新日:

 近年、P&Gの出すファブリーズや花王のリセッシュなど、「クリーニング級」を謳う消臭剤の需要が伸びている。またP&Gは昨年にはアメリカで「衣服再生消臭機「SWASH」」の販売を始めており、「洗わないクリーニング」という考えが半ば公然と表に出てきたと言える。今回はこの「ウォッシュレスクリーニング」について考えていきたい。

家庭洗濯の中で処理するために

 家庭には洗濯機では洗いにくい、または洗えない品物が多い。最近は洗濯機の大型化や家庭洗濯を前提とした衣服やカーテンや寝具類などが増えたため、以前に比べると格段に洗えるようになったが、それでもあらえないものが多いのが現状だ。

 そうしたものはクリーニングを始めとするサービス業者が洗いを担ってきたが、近年になって様々な業界や企業がそれを未開拓の市場と捉え参入してきた。

 具体的はドライマークが洗える洗剤として伸縮防止剤入り中性洗剤を販売している洗剤メーカー、洗濯機などに除菌消臭機能をつけて販売する電機メーカー、そして今回の「消臭剤」などを販売する各メーカーである。

 これらは共に従来、家では洗えないものを「処理する」という発想でアプローチしてきたものである。

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「洗い」が求められない時代

 こうした形で続々と参入してくるメーカー側に対し、受けて立つ側のサービス業者側は「洗う」という考えであった。しかしメーカー側の唱える「処理する」が市場を伸ばす形となっており、業者側の思いとは裏腹に「処理する」が広く社会に受け入れつつあるのが現状と言えよう。

 クリーニング業界内でも危機感を募らせた一部業者などがクリーニングの技術的な告知を行ったりする啓蒙活動といった取り組みがなされているようであるが、発信力の弱さからか、それが広く社会の中で浸透しているとは言えない。

 同時に、そもそもその「洗い」自体が利用者側から本当に求められているかどうかさえ疑問符がつく部分がある。消臭剤の「クリーニング級」で十分と思う人がいれば、その人は消臭剤が「クリーニング」であると解釈するのだから。

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ウォッシュレスクリーニング

 いっそのこと「洗わない洗浄」の方に路線を傾けていいのではないか、と最近思うのである。歴史を紐解けばヨーロッパの香水文化など風呂に入らない習慣によって体臭予防の為に発達したわけで、そもそも「体を洗う」習慣がなかったからこそ必要に求められて香水が作られたのである。

 であるならば、例えばスーツなど洗わなくても良いという発想であってもおかしくない。「洗い」という観点からみればおかしいだけであって、消臭剤を吹き付けるものが「クリーニング」だという通念が広まれば、例え「洗い」側の主張が正しかったとしても、その考えは通らなくなるのが社会の道理というもの。

 ならば「洗わない」発想で、そうしたメーカー側の「処理」を越えるものを提供していくと考えていく方が合理的ではないかと思う。むしろその方が実践経験のない相手側に対して戦える可能性が高い。つまりクリーニング業界側も発想の転換が求められる。

おわりに

 こうした話は「利用する側」である消費者にとっては判りにくい話であるかもしれない。しかし経営者の高齢化と後継者不足から9割廃業が視野に入るクリーニング業界の現状の中、将来的に「洗い屋」=「一定の設備を持つクリーニング屋」自体が希少種となる訳で、それは「洗わない時代」の到来を意味することになる。

 そうしたことから現在当サイトで研究している「スイトル洗い」同様、この「ウォッシュレスクリーニング」も、現在の流れを見れば求められる時代になって行くのではないかと思う。

 幸い当方では偶然にも独自の消臭剤などを使った処理方法を実践してきており、その経験が世の中の役に立つのかもしれないと感じるようになってきた。

 今後、スイトル洗いと共にこの「ウォッシュレスクリーニング」について、これまでの研究成果についての記事を書きたいと思う。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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