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それは本当にナチュラルなのですか?

投稿日:2017-06-17 更新日:

 最近「ナチュラル素材」で云々という話があちこちで聞かれるようになった。ナチュラルとは天然、だから良い、という考えからのようだ。曰く、石油由来の合成物と違って天然物は自然のものだから安心だという。

 だが、ちょっとまって欲しい。その視点は明らかにおかしい。

高純度の天然モノ?

 例えば天然モノの代表格みたいな話で「重曹(炭酸水素ナトリウム)」がある。だが限りなく100%という純度の高い重曹が自然界で存在する訳もなく、露天で掘られたものを「天然重曹」とありがたがるのはどうかと思う。

 何でもそうだがモノには限度というものがあって、量を多く使えば毒になるものであっても、少なければ薬になるのである。だから「天然モノだから安心」「人工モノだから危険」という発想はあまりにも短絡的だろう。

 もし天然モノが安全というのなら、火山でよく発生する硫化水素は「天然モノだから安心」だとでもいうのだろうか? そうした発想はあまりにも浅はかではないのか。

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モノの基本「濃度」である

 よく廃棄物処理で「何が何ppm以上だから流せない」「何ppm以下だから処分できる」という話がある。つまりゼロではないのだ。ゼロには出来ない、だからゼロに近づけて処分という考えなのである。

 これは洗濯における「すすぎ」においても同じでソープ濃度を落とすための工程であって、粉石鹸だろうと洗剤だろうとソープ濃度がすすぎで落ちなければならない。これは湿式洗濯の不変の真理だ。

 そして今現在、すすぎの速さは石鹸よりも洗剤の方が上回っているのが現状で、いくら一部業者が「天然」石鹸とうたおうとも、すすぎの速さにおいて洗剤に劣るという点においては変わらないのである。

 仮に「天然」石鹸だから自然の負荷が少ない、という主張が「真」であったとしても、水量が洗剤よりも多いという点においては自然に「負荷」をかけていることになる。というのも、その水は人間が浄水設備を使って作った「人工水」であり、作れば作るほど資源を使って負荷をかけていることになるからだ。

 一つの事象だけを見ず、多様な視点、広い視野をもって物事を考えた上で是非を考えるのが、本来の人間のあるべき姿ではないかと思う。

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だから「濃度」を落とす

 もちろん、だからといって石鹸の有用性を否定するものではない。分解するといった視点では洗剤を上回るからである。ではどうすればよいのか、という点で私が出した解は「使用量を減らす」。すなわち濃度を落とすことである。

 つまり使用量を減らしながら、同等の効果を得られる研究を行い、広く行われるようにすることこそが自然なこと、つまり「ナチュラル」ではないかと思うのである。

 「減量」という発想に立てば、何々使えばよい、これを使えば安心などという言葉は文字通り「戯言」に過ぎない。量を減らすという視点に立たない限り、Aという「毒」からBという「毒」に移ったに過ぎないのだから。

 しかし量を減らせば、「毒」を「薬」と出来るという知恵は古来からあるもので、これを活かすことこそが素材を見直す以前に大切なことなのではないだろうか。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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