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これからのユニクロはベビー服と靴で勝負らしい

投稿日:2017-09-06 更新日:

 NHKオンラインのビジネス特集で「ユニクロ」を展開しているファーストリテイリングの柳井正社長への取材を行なった記事がアップされていた。

 「岐路に立つユニクロ 次の一手は?

 この記事では飽和気味な国内市場の中で、売上が横ばい状態であるユニクロが今後どう戦っていくかについて、柳井氏から話を聞くという形の内容となっている。これを見ると、記事中の柳井氏の言葉からは国内市場に関して、相当強い危機感を感じとる事ができる。

実は健闘している国内ユニクロ

 何かユニクロが危機にあるかのように取られているケースがままあるが、ファーストリテイリングは国内売上高だけで9000億円に達するしており、それだけでも日本のアパレル業界のトップ企業である。

 小なれど複数店舗を展開しながら全て撤退した当方から言わせれば、売上が国内だけで1兆円に達しようかという規模で、浮き沈みの激しいアパレル業界で巨大な売上高を維持しているだけでも非常に立派なもので、全従業員の努力の賜であると言えよう。

 しかし最近の国内業績は、売上は増やしつつも減益であり、かつ客数減に見舞われており、柳井氏はこの状態を打開するために「ベビー」と「スポーツ」に力点を置いて展開しようと考えているそうである。要は扱う製品のジャンルを増やし、ウイングを広げる戦略である。

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手を広げて新たなる顧客獲得が可能か?

 ベビー部門では「西松屋」「しまむら」という強力なライバルが、「スポーツ部門では「ナイキ」や「アディダス」といった名門ブランドがおり、その中でユニクロがどう戦っていくのか、というようなレポートであったようだ。

 この中で注目すべきは二点あり、ベビー部門の売上は増やせる余地があるというもので、ベビーだけではなく、キッズまでを含めた「子供服」の売上割合を2割までしたいということだった。

 またカジュアルとスポーツが融合する中で「靴」の販売に力を入れていきたいと柳井氏は語っており、スポーツシューズのジャンルに食い込んで、新たな顧客を取り込みたいとの思惑が見える。

 と、ここまでがありきたりな販売戦略の話。重要なのはそこではない。柳井氏はこう言っている。

 「アメリカではさまざまな分野で店がどんどん閉店している」

 「そういうことが世界中で起きてくる」

 ー記事中の柳井正氏の発言

 アメリカで起こっている小売業崩壊は柳井氏にとって予想以上に早いペースで進んでいると感じていることがよく分かる。

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敵はどこにも見えない

 実は先日書いた記事「お店が潰れる 米国小売業の崩壊から日本の店舗の未来を見る」の核心部分と同じことを柳井氏は感じており、それが自身の予想より早いこと、決定的な対処策についての明快な答を持っていないことがよく分かる。それはこの部分で明らかだ。

 「ITの使い方はまだ全く足りていない。お客さまと商品を企画する人、そして、工場がつながり、世界中の情報が瞬時に伝わると同時に、できるだけ早く服を作っていく」

 「これから1~2年以内にユニクロとしても新しいモデルの店舗を作り出していきたい」

ー記事中の柳井正氏の発言

 「IT」化を推進と言いながら、売る場はECサイトではなく新型「店舗」なのである。入り口である製造や途中の流通は自動化推進なのに出口はローカルサイドな路面店商法。つまり柳井氏はネット売上では9000億円の実店舗の売上をとてもではないが穴埋めできないと踏んでいるのである。

 柳井氏のいう「IT」とは、現在よりもスピード化させコストダウンさせるものという程度の認識しかないと思われる。おそらく週一ペースの新製品を1日単位とし、1円で服を縫える人を探すツールとしての「IT」なのだろう。

 しかし、一日ごとに新製品が出ようとも、1円で縫える人がおろうとも、「買えない人」と「買わない人」が増えてしまっては、売上を上げることは難しいのではないのだろうか。危機は「店に客がいないこと」にあるのだから。

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おわりに

 ベビーグッズとスポーツシューズで局面打開をかけるファーストリテイリングの柳井正社長。だがこれまでと違い、ネット化への世界的潮流と日本の社会の中で深く進んでいる「少子超高齢化社会」という見えない敵を前に、思案しているように感じる。

 これまではライバル企業との競争や生産ラインのコストダウン、店舗展開の戦略を考えていけば良かったが、これからは羅針盤自体が狂い出すような時代が到来する。

 店から人が消え行く中、果たして店に人が入り続ける状態を作り出すことができるのであろうか。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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