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いくら貯金があっても収入がなければ無意味な話

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 大塚家具といえば創業者の父親と二代目の娘さんが経営権を巡って争奪戦を演じた末に娘さんが勝利した。以後、経営改革に取り組んでいるというが、その成り行きに暗雲が垂れ込めているという。

 その実情を週刊新潮が「大塚家具・久美子社長、63億円の大赤字 年内で溶ける内部留保」として伝えている。骨肉の争いで揺れた大手家具販売で一体何が起こっているのか?

まず家具が売れない

 実は父と娘の「骨肉の争い」の原因がこれだった。大塚家具は新聞チラシと会員制を二本柱とし、高級路線で顧客を囲い込んで「インテリアのパッケージ」を売ることで業績を伸ばしてきた。ところが新聞を取らないというライフスタイルの変化によってチラシを見る人が減り、会員数が伸び悩む減少に見舞われていた。

 こうした状況に父親はチラシの回数を倍増させて対応しようと考えたが、娘の方は会員制を廃止し、店の門戸を開いて新規顧客を獲得しよう思ったのである。従来の方法では先が見えているものをどう打開するかを巡る戦いだったのだ。

 しかし根本的な問題は、大塚家具が売っているクラスの家具やインテリアの需要が急速に萎んでいる(つまり、より低価格なクラスの家具の需要が伸びている)ことで、営業戦略レベルで解決できるような問題ではなかったのである。

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局面展開を図ることができない

 経営権争奪戦に勝利した娘は、店舗を縮小させるコスト削減策と「リユース品販売」中古家具販売を柱として経営を進めているのだが、赤字に転落したというのである。

 従来の店舗の中にリユースコーナーを設けたことで、主力である新品家具販売が全く振るわないというのだ。これが事実だとすれば「家具が売れなくなる」ことを巡って争った末に、自身の手でより家具が売れなくしたことになるという皮肉としか言いようがない。

 また店舗を縮小させるコスト削減策だが、これは削減した効果以上に客離れや売上減が発生させてしまう事が多い。というのも他にない広さだからわざわざ足を運ぶのであって、ありきたりの広さであれば足がむくこともないからである。

 もしやるのなら黒字店以外は全閉鎖、閉鎖店舗の中で足が見込める所でリユース販売をした方が良かったかもしれない。しかし小さいながらも経験してきた身からすれば、撤退縮小にも資金を含めた体力が必要で、大規模店を持つ大塚家具にとっては相当な負担になるだろう。

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資金が溶けていく

 このような状態ならば、これまで企業内に留保されていた資金もどんどん消えていく。かつては多くの利益を上げ、潤沢な資金で大規模店を展開していた大塚家具だが、目下の預貯金は21億円まで目減りしているというのだ。

 企業というもの、いくら蓄えがあっても収入(売上)がなければ生きていけなくなる。お金は止まっているのではなく流れている血なのだ。かつて雪印というしっかりとした資産を持つ優良企業があったが、相次ぐ不祥事の中で、資産はあっという間に溶けてしまい、最後は解体の憂き目にあってしまった。

 この売上を支える大きな要素は「信用」であり「信頼」である。これがなくなってしまえば、どんなにお金があろうと、どんなに売れるものがあろうと経営が立ち行かなくなっていく。なぜかといえば顧客が離れてしまうからである。

 大塚家具の場合、親子の経営権争奪戦は企業イメージを大きく損ねてしまう結果となった。つまり自身の手で「信頼」に傷をつけてしまったのである。これを取り戻すためには人三倍、いや十倍の努力と精進が必要だろう。これからも厳しい道程は続いていくと思う。

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おわりに

 会社と個人は違うと思う人は多いかもしれない。確かに会社は人間ではない。しかし会社は法「人」格であり、登記(戸籍)と印鑑を有しており、申告も行っているのだ。つまり会社も生きているのである。

 会社にも貯蓄(留保)があり、これが多い会社は本業に専心し、利益をしっかり上げ、遊んでいない「優良企業」とされる。個人でもしっかり仕事をして、遊ばずにしっかり貯蓄をしている人がいるが、その人と同じといっていい。

 ところが会社も個人も一旦収入が絶たれると、内部留保や貯蓄があっても持たなくなる。売上なり給与が入ってくることを前提としている以上、いくら貯めていてもそれは一時的なものに過ぎないからで、それ一本で維持する事は限りなく難しい。

 つまり、いついかなる時でも人は何らかの安定した収入源を手にしておく必要があるということだ。これはある面貯蓄より大切なことである。収入源を確保した上に「貯蓄」が必要なのである。「収入」と「貯蓄」はまさに両輪である。

 この大塚家具の一件を会社から個人に置き換えて見ていけば、自身の暮らしをどのようにしていけばいいのか、ということについて考えるヒントになるかもしれない。

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Vivente
現役クリーニング事業者。妻と二匹のネコと暮らしながら、整理術やくらし術、生活家電や機器、、著名人のなどの研究を行っている。プロフィールはこちら

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